ワキガ・多汗症は、普通わきの下の有毛部に現われますが、中には性器の部分(すそワキガ)に現われることもあります。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺がありますが、エクリン腺は全身にあり皮膚の表面全体に汗を出します。成分のほとんどは水分で、ほんの少しの塩分や尿素しか含んでいませんから臭いません。

 

一方、アポクリン腺はわきの下や性器、外耳道などにあり、毛穴から汗を出します。

脂質や鉄分、たんぱく質、アンモニアなどが成分でこれらが臭いや洋服の黄ばみに大きく関係しているのです。

 

また、この2つの汗腺の他に皮脂腺というものがあり、そこから脂分などが分泌されます。

この分泌物がアポクリン汗とともに、わき毛などについていた細菌によって分解された後、エクリン汗によって溶かされ悪臭となるのです。 臭いが気になるけどワキガかどうかわからないという方は、耳垢が湿っていてご両親のどちらかがワキガの場合にはワキガと考えられます。

 

ワキガ・多汗症の治療には、吸引法 ・ 切開法 ・ ボットクス注入法 があります。

 

超音波による吸引法

 

 

わきの下に直径2~3ミリのカニューレ(吸引用のパイプ)を挿入してエクリン腺とアポクリン腺を吸引します。

比較的に臭いや汗の少ない方に向いている手術です。

腕の上げ下げにはさほど支障はなく通常の日常生活が送れます。

 

溶ける糸を使用しますので当日のみで終わります。

手術時間は、約30分です。

 

 

費用 150,000円 

 

 

 


切開法

 

 

脇の下を数センチ切開した後、皮下を剥がし、血管を確認しながらアポクリン腺とエクリン腺を特殊なはさみで切除します。解消率は90%くらいです。汗腺と共にその毛根も除去されますので、わき毛は7~8割位生えてこなくなります。

 


抜糸は1週間です。それまではガーゼと包帯で圧迫固定をします。

日常生活では、激しい運動は避け、手を上げないなど安静が必要です。

通院は、手術翌日、1週間後(抜糸)、2週間後(処置)の計3回です。

瘢痕は、数ヶ月経てば薄い線のようになりそれほど気にならなくなるでしょう。

手術時間は、約1時間です。 

 

 

費用 295,000円(麻酔薬代・抜糸代込) 

 

 

 


ボトックス注入

 

 

ワキの下に数ヶ所にボトックスを注入するとアポクリン腺とエクリン腺が萎縮し発汗が抑制されますので、傷痕を全くつけずに汗の量と臭いを減らすことができます。 

注入後は、特に日常生活に制限はなく、シャワーは当日から可能です。

所要時間は約10分です。 

 

『効果はどれくらい続きますか?』

通常持続効果は8ヶ月~1年で、当院の症例では2年以上持続したケースもあります。ボトックス注入法は、継続して治療を行なうことで持続期間が長くなる例が多く、中には2~3回注入した後ほとんど気にならなくなるほど症状が改善する場合もあります。

 

 

 

ボトックスはA型ボツリヌス毒素のトップブランドで、アメリカFDA(米食品医薬品局)

により認証された医薬品です。世界中で最も長期間にわたり臨床試験が実施され安全性が確認されているため施術前のアレルギーテストは必要ありません。当院では、信頼性の高いアレガン社製(アメリカ)のものを使用しております。 

 

 

 

 

施術の前に、針を刺すポイントに表面麻酔を塗布します。

その後、十分冷却し針を刺す時の痛みを鈍化させます。

また、注射針も極細いものを使用しますので痛みはほとんどありません。 

 

 

費用 59,000円 (麻酔クリーム代込)